フルミスト(点鼻インフルエンザワクチン)接種について
今年からフルミスト(点鼻弱毒生インフルエンザワクチン)の接種を開始いたします。
<特徴>
弱毒化したウイルスを鼻腔に噴霧して接種します。
従来のインフルエンザウイルス(皮下注射)と違い、弱毒化されているため、病気を起こす力はありません。
このウイルスには温度感受性があり、低温の条件下でしか増殖できないため、気管支、肺のような体温の高い部位では増殖できず、鼻やのどで増殖します。このため、インフルエンザのような強い症状を起こさないとともに、鼻やのどにおいて自然感染で得られるような免疫が誘導されます。
インフルエンザウイルスの一般的な侵入口である鼻、のどに免疫が誘導されるため、高い感染予防効果が期待できるとともに、血液内にも免疫が誘導されるため、重症化抑制が期待できるといわれています。
免疫の持続期間は、従来のワクチンが約5か月間であるのに対し、フルミストでは約1年といわれています。
欧米では早くから実用化(アメリカ2003年~、ヨーロッパ2011年~)され、注射の不活化インフルエンザワクチンと同様に、インフルエンザウイルスに対する予防接種として広く使用されており、安全性・有効性ともに確立されたワクチンです。
予防効果は従来の注射のインフルエンザワクチンと同等であるといわれています。
<副反応>
鼻水、鼻づまり、のどの痛みなど感冒の症状が約半数(40~50%)にみられます。発熱は数%ぐらいですが、数日で改善します。
他のワクチンと同様に、ごくまれにアレルギー反応や免疫を介した重い副反応がおこる可能性は否定できませんが特に頻度が高いというわけではありません。
10%以上 鼻閉・鼻漏
1~10%未満 咳嗽、発熱、咽頭痛、頭痛、食欲低下、筋肉痛、倦怠感
1%未満 下痢、腹痛、発疹、悪心、胃腸炎、中耳炎
従来のワクチンとフルミスト(点鼻ワクチン)の比較
種類 | 従来のワクチン | フルミスト |
投与方法 | 皮下注射 | 鼻に噴霧(痛みがない) |
ワクチンの種類 | 不活化ワクチン | 生ワクチン
(病原性の弱い生きたウイルス) |
接種対象年齢 | 生後6か月以上 | 2~18歳 |
鼻、のどへの感染予防 | できない | できる |
妊婦への接種 | できる | できない |
接種後の鼻咽頭からのインフルエンザウイルス抗原の検出 | 検出されない | 接種後約7日ぐらいまで検出される可能性がある |
<対象年齢>
2歳~18歳以下
<接種料金と接種回数>
1回 7,000円(税込) シーズンで1回接種のみ
<フルミスト接種ができない方>
- 繰り返す喘鳴の既往があり、現在も喘息症状がある方
- ゼラチン含有製剤又はゼラチン含有の食品に対して、重度のアレルギーやアナフィラキシーの既往のある方
- 卵白やその他のワクチン成分に対して、重度のアレルギー、アナフィラキシーの既往がある方
- アスピリン服用中の方
- 免疫が著しく低下している方(先天性免疫疾患、無脾症、ステロイドや免疫抑制剤を内服・注射している など)
- 免疫力が著しく低下している人と同居している方
- 重度の鼻詰まりや鼻炎がある方
- 明らかな熱(37.5度以上)がある方
- ミトコンドリア脳筋症 の方
- 人工内耳埋め込み術を受けている、内耳の先天性形成不全がある、持続的な脳脊髄液のシャント手術をしている方
- 妊娠中の方、授乳されている方
<ご注意いただきたいこと>
※接種当日に鼻汁・鼻閉がある方は、効果が減弱する恐れがある為、注射のワクチンをご案内することがあります。
※接種後2週間まではワクチンに含まれるウイルスによる感染の危険性がありますので重度の免疫不全者との接触は避けてください。
※接種後1週間まではインフルエンザ抗原検査が陽性となる可能性があります。この時期にインフルエンザ治療薬を内服すると十分な免疫がつかない可能性がありますのでご注意ください。
※ワクチンの在庫数には限りがございます。予定数に達しましたら予約を終了いたします。
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